2021年度初の羊を出荷した日
今年に入ってから寒波がたびたび到来しますね。
こちらは毎日のように除雪に追われる日々が続きます。
そんな中、1/11に山立会の仔羊を5頭今年度初出荷しました。
金沢の屠畜場では、羊を出荷する際は一つ他の動物にはないルールが存在します。
それは「毛刈り」です。
通常毛刈りは春に放牧開始する際にこれからの暑いシーズンにむけておこなう作業ですが、もこもこの毛は出荷時にお肉等を汚染してしまうため、金沢の屠畜場は毛刈りをするというルールを設けています。
しかし毛刈りする際に暴れて打ち身になってしまったり怪我してしまったりするリスクも怖いわけで…、恐る恐る慣れない手つきで行っていたらちょっと見苦しい感じになってしまいました…;
この中の1匹は羊のオーナーとなってくださった方々に毛刈り体験会という形で体験してもらいました。
毛刈りを終えたらいよいよ出荷準備。
積み込み作業を行う前に出荷時体重をはかりました。
目標体重は雌は55㎏、雄は60㎏です。
若干足りない子がいたものの、65㎏という雄もいたため、そこそこ良い結果になったかと思います。
積み込みは、背中に屠畜順をスプレーで描き、軽トラの荷台に乗せます。
この日は生憎の大雨となりました、雪ならまだしも大雨は刈られた毛がさらにびしょびしょになって、とても可哀そうなかんじに・・・・。
屠畜場についたら一晩繋いでおき、翌日に屠畜です。
ここに繋いだら、最期のお別れとなります。
屠畜日当日に枝肉を受け取ることはできません。
屠畜日はしんみりとした気持ちでその翌日の枝肉搬出を待ちます。
枝肉搬出は、もう生前の姿の見る影もなくなり、半分に割られた枝肉を冷蔵車にて受け取り、山立会食堂に持ち帰ります。
ここから解体する・・・・・・・のはさらに数日後です。
しばらく熟成する必要があるためです。
牛だと1週間近く熟成しますが羊は枝肉が小さいので、3日の熟成で解体しました。
人間というのは薄情なもので、小さいブロックになってしまうともう動物だったころを思い出すこともなくなっていきます。
今年は一部脱骨せずラムチョップやスペアリブのブロックも作りました。
ラムチョップがどこの部位かみなさんはご存じでしょうか。
あばら骨のあたりのロース部位です。
とっても良い部位といえます。
我々の羊飼育はまだまだ研究途上。
今年の羊たちはどんな味になったのか、腰ロースの部分を試食しました。
普段お店でだしてるニュージーランド産のラム肉と比べると、明らかにお肉の弾力がちがい、放牧形態ならではのしっかりとした赤身肉です。
また、普段ラム肉というのは脂の強い匂いで肉全体がその味になってしまうのですが、脂から香る匂いは噛んだ後にほんのり香る程度。
そのおかげで肉自体の味をしっかり感じることのできる希少なラム肉でした。
お肉を卸している「ぶどうの木」の総料理長米田さんもおっしゃっていたのですが、野菜とマッチする味とのことで、様々な料理に合わせることができそうです。
ラムの香りが苦手という方にも是非食べてもらいたいラム肉です。
さて、今年は計15頭出荷します。
そのうちの1頭半を山立会食堂にて提供したいと考えています。
2月中に羊のコース料理会を開催し、山立会ラムの希少な部位やラムチョップをメインに提供させていただく会を開催します。
こちらについての詳細はもうしばらくお待ちください。
また2月からは食堂の焼き肉メニューやスライスでの山立会ラムの提供も行っていく予定です。
こちらも入荷次第SNS等で発信していきますので楽しみにお待ちいただきたいと思います。
2月中旬にかけてこれからあと2回の別れをし、そして2月下旬にはまた新たな命との出会いも控えています。
なかなかに忙しなくなりそうですが、おいしいラム肉をお届けできるようかんばります!
(ひつじ担当:山本)
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