木滑なめこを事業承継したときの話
先代から事業承継した「なめこ事業」は、現在の山立会の主力事業になっています。事業承継がハヤリなので、今回は、山立会がなめこ事業を承継したときの経緯を紹介します。
山立会は2017年4月に創業したのですが、同じ木滑集落にあったのが、前身の木滑なめこ生産組合でした。生産組合といっても事業主の高山さんと奥さん、それからパートさん2名でやっている個人的農家でした。高山さんとは私が白山市に移住した当初(9年前)から、私自身が木滑の市営住宅に住んでいたこともあってちょこちょこ顔を合わせる機会があり、その後、私が入社した白山ふもと会(地元の観光業者の集まり)では幹事をされていたため、さらにお話しをする間柄になっていました。そして、山立会を立ち上げたときに、人手不足だからなめこ配達を手伝わないかと声を掛けられ、週2日程度担当させていただきました。これをよいことに高山さんは、仕込み(なめこ栽培用の瓶におが屑を詰める作業)作業も山立会に頼み、その次は菌付け(瓶になめこ菌を植え付ける作業)も山立会に頼んでくれました。仕込みと菌付けは重労働かつ、栽培の成否を分ける重要な作業工程です。そして、2018年に入って、高山さんから「重要な作業を自分では腰が痛く出来なくなってきたので、山立会でなめこ工場を継がんか」という話をいただいたと記憶しております(高山さんは、山立会が継がせてくれと言ってきたと言っている、、、)。
事業承継の話をいただいて興味がわきました。県内の菌床なめこ農家は20年ほど前には20軒以上あったが、現在は2軒しか残っておらず競合が少ないこと、木滑なめこは直売所での販売や白山麓の飲食店、関西圏の蕎麦屋への販売など利益率の高い販路が確立されていること、特産の「でけえなめこ」やなめこ収穫体験などオリジナルもあること、生産機械は単純な構造のものが多いのですぐに壊れる心配はないこと、一応黒字であることなどです。
その話を聞いて、経営的にはやっていけそうであること、そのときにやっていたジビエと比べればなめこは工場内で生産する分、計画的・安定的に生産でき山立会の経営基盤になりうること、そして、木滑なめこは白山麓で50年近く続き地元の多くの旅館・飲食店で使われている特産でありそれを無くしてはいかんだろうということで前向きに検討を始めました。
その後は、白山商工会に相談し、商工会からの紹介で、中小企業診断士の先生や、県の事業承継の相談窓口にも相談させていただき、これまでの経営状況とこれからの経営計画の確認、トラブルなく事業承継するための先代との相談・契約などを支援していただきました。この相談のときは結構めんどうな手続きがあり、「もう辞めよう!」と先代に言われかけたこともありましたが、何とか無事に事業承継を済ませることができました。
なめこの事業承継は、先代と私がもともと顔見知りであったことや、先代の大らかな性格のおかげで割とスムーズにいったのかなと思っています。 築50年弱、施設が老朽化しているということで、全て無償でお譲りいただき、先代は引き続きパート社員としてお手伝い・指導を頂いています。
そして、事業承継後は、、、経営基盤としてまあ何とか順調ですが、機械故障やトラブルでお金もたくさんかかり、古い設備を承継するのは、分かっていたけどアマイもんではないなぁというところです。そのあたりの苦労話はまたいつか。
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