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ひつじたち、思わぬトラブル発生

3月のブログは、「新生仔羊続々と産まれる!」にしたかったのですがトラブルが発生・・・。

何が原因なのか、2月中頃から出産予定日だったにもかかわらずまだ一頭も出産が始まらない現状です。

「妊娠してないのか・・・?いやでもお腹が大きい子もちらほらいるしそんなことはない・・・。」などなど問答を繰り返しておりました。

交配シーズンの時のブログにも書きましたが、羊の交配の仕方は、基本群れ飼養なので、そこに種雄を投入し自然に交配させるのが一般的です。

では牛とか豚も?と思われる方。

牛や豚は着実に妊娠させるため且つ血統を細かく管理するために凍結精液による人工授精が一般的となっています。(放し飼いでは種雄いれるところも結構あります)

発情確認してから数度にわたって行う人工授精は、しっかりコツをつかめば誰でも行えるような比較的簡単な仕組みだし、正確なため着床確率も高い。

それが羊で行われない理由は、技術発展が乏しく、こういった簡単な仕組みでの人工授精の着床率はとても低いからです。

ひつじの人工授精の技術が他の動物種よりも遅れているのは、千頭規模の群飼が普通のひつじでは種雄に任せるのが簡単であるからでしょうか。

獣医師のみ行える人工授精の手法だと着床率も高いようですが、獣医師の介入が必要な大がかりのこの手法はとても現実的ではないですよね。

こういった理由で種雄を数か月一緒にしていたのですが、いろんな疑惑が出てきました。

「タネオスくんちゃんと仕事、してた・・・・?」

一頭ならまだしも全頭こんな状況なので、種雄の仕事ぶりに疑惑が・・・。

そもそも自然交配で全頭着床なんて、んなうまい話が・・・。と思う方もいるかもですが、これがなんとひつじにおいてはとても高い確率で妊娠するそうで。

しかしうちのタネオスくん、今年は群れから離れたところにいたり、雄の習性である人間にどついてくる気性の荒さもなかったり、よく足や目を怪我したり様子が変でした。

今年の子はおとなしくて扱いやすいな~と楽観視していましたが、雄はどついてくるくらいの元気の良さが必要なようですね。結果論ですけど…。

真相は解明していませんが、タネオスくんが仕事してなかったか、または着床する時期にメスたちの栄養状態が悪かったか、次年度への反省になりました。

ここで問答していても繁殖期のことはとうの5か月前で、今更なにもかわらないので、今回県立大学の協力の元、エコー検査による妊娠鑑定を行うことになりました。

人間でもやっているアレです。

※思っていた以上にバタバタだったので最中の写真はアリマセン。

ジェルを塗って超音波伝導を高くしてからエコー検査をします。

通常妊娠前期~中期においてやるこの作業では、宮阜(きゅうふ)という丸いものがみえたら妊娠しているということになるそうですが、すでに我らのひつじは妊娠後期も後期。

宮阜を探しつつ、別の見え方の可能性も視野に入れます。

結果から申し上げると、なんと妊娠していることが100%わかったのは3頭のみでした・・・。

この3頭のうち2頭は、宮阜のようなものは見えにくかったですが、はっきりと胎児が映したので、おそらくもうすぐ分娩がはじまるのでは…という感じでした。

その他の子はこの宮阜も、胎児も確認できずでした。

可能性がある子を期待を込め、数に含めたとしても、妊娠しているのは12頭中せいぜい6頭くらいでしょう…。

とても悲しい結果です。

県大の先生曰く、悪い要因が諸々と重なってしまったからでは、とのことでした。

まだまだ知らないことがたくさん。

大学での勉強からの実地研修にて、「必要だからその作業をする」のはもちろんですが、「どういった生理現象に基づいてその作業が必要なのか」という関連付けの大切さを学んできました。

ただ「必要だからやっているだけ」だと緊急事態に何をするべきかわからない。

注射を打ってあげるときも、「この症状だからこれを打つ」ではなく、薬が動物のどこに作用しどのような効果を得られるのかを知っておくことで、しらない病状、突然の体調の悪化などが起きた時に応急処置をこなせる。(もちろん最後は獣医師の判断が大切ですよ)

度々研修していた先の農場長から言われ続け、「Wie so? Warum? (なぜ?どうして?)」と、抜き打ちテストみたいなこともされたりして、その度ドキッとしましたが、本当に大事だなと思いました。

動物の容態急変は一瞬の判断が大切。

緊急時の動物への迅速かつ真摯な対応をする農場長はすごいなあとみていましたし、愛のある鞭だったと思います。

長年続いている牛農家さんとか豚農家さんはもう情報が確立されているかもしれない。

でもひつじはまだまだ日本において発展途上ですし、ましてやうちでひつじ事業を引き継いでからまだ3年です。

ある意味で実験台となってしまっているひつじたちのためにも、早くそういったことを知るため日々学んでいきます。

とりあえず目先の目標は、4月のブログにてひつじ出産のご報告ができるようガンバリマスッ!

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